乳がんと分かったら仕事を辞める?辞めない?
先日、こんな記事を目にしました。
◯関連記事
がんを患った患者(特に働き盛りの年齢)にとって、
「仕事」は大きな課題です。
私も31歳で告知されたので、まさしく働き盛りの真っ最中でした。
元々、理学療法士というリハビリのお仕事をしていたのですが、"病院"という枠を越えて自由診療の美容にも関わり始めて、独立してから1年ちょっとの出来事でした。
まさしく"これから"という時に乳がんが発覚し、仕事とどう向き合うべきか、頭が痛くなるくらい考えました。
結果的に、私の選択は、
「治療が始まるまでに、仕事を整理する」
でした。
美容のお仕事は完全予約制だったので、せっかくご予約いただいたお客様に迷惑をかけるわけにはいかないという理由から、自由業を一旦完全にお休みしました。
少しお手伝いしていた理学療法士のお仕事も、かなり体力勝負だったので、FEC(抗がん剤)が開始する前に、上層部に事情を伝えて長期お休みをいただくことにしました。
どちらも体を使う仕事だったので、正直、恐かったんです。
FEC(抗がん剤)が始まると、どんな副作用が自分にふりかかるか分からない。
もしかしたら、ゲーゲー吐いちゃうかもしれない。
急にお休みをもらったら、現場やお客様に多大なる迷惑をかけてしまうかもしれない。
突発的な高熱で動けないかもしれない。
そんな想いから、いっそのこと先手を打って、お休みをもらった方がいいんじゃないかと判断したのです。
実際に抗がん剤が始まってからは、案の定、体調が不安定な日が続きました。
私の場合、朝はナメクジ生活(ほぼ動けなくて布団の中)。
午後からはボチボチ動けて、夜には元気!
というルーティーン。
そして、時には吐き気と高熱に悩まされる日もありました。
この「不安定さ」が、仕事をする上での最大の難関になります。
「がん」と「仕事」
なかなか難しい課題だと思います。
抗がん剤でキツいからと言って、別に24時間死にそう…わけではないんですよね。
(かなり個人差はあると思いますが…)
1日の中で元気な時もある。
そんな時は、
「あ、今なら働けるのにな。」
なんて思う日もありました。
副作用の出方は人それぞれ。
こうでなければいけない!!って決まりはないので、自分のライフワークに合わせた選択をすればいいと思います。
術後もそう。
私の場合は、全摘&一次再建(エキスパンダー挿入)の術後2週間、上肢を動かせないように抑制しました。
これは、大胸筋が動いたら、せっかく入れたエキスパンダーの位置がずれてしまうので、それを防止するためです。
2週間も抑制すると、もちろん拘縮が起こります。
一生懸命、腕を挙げてもこの程度。
初めて患者さんの気持ちが分かった瞬間でした。
この状態では、もちろん仕事になりません。
特に体を使う仕事では、致命的でした。
「もっと別の仕事も考えてみようかな」
と思って、術後にお世話になったのは、今まで経験のないデスクワークでした。
(今でも続けていますよ♡)
思ってもいなかった選択でしたが、今となっては、とてもいい職場に関わらせていただけたと思っています。
乳がんがきっかけで、大幅にお仕事を変えなければいけない人もいるでしょう。
完全に仕事を休まなきゃいけない人もいるでしょう。
もちろん、仕事を休んだことで生活が苦しくなる人もいるでしょう。
(私も、1日に500円稼ぐ難しさを痛感しました。)
そんな方たちのために、いつか「がん患者の就労」のサポートができたらな…なんて夢も持っています。
何かお手伝いができる環境を、少しずつでも整えていけたらな〜。